短期間で歯並びを改善できるセラミック矯正って?リスクについても正直に解説
2025/05/20

「短期間で歯並びと見た目をキレイにしたい」
「芸能人みたいな白く整った歯に憧れる」
そんな願いから注目を集めているのがセラミック矯正です。
しかし、よく調べると「歯を削る」「神経を取る」「やめたほうがいい?」などのワードも出てきて、「本当にやっても大丈夫?」と不安になる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、歯科医の視点からセラミック矯正のメリット・デメリットを、できる限り具体的に・わかりやすく解説します。
セラミック矯正を検討している方が、後悔しない選択ができるように、治療の本質や注意点もお伝えします。
セラミック矯正とは?通常の矯正との違い

セラミック矯正とは、自分の歯を削って、その上からセラミックの被せ物(クラウンやラミネートベニアなど)を装着し、歯並びや色を整える治療です。
従来のワイヤー矯正やマウスピース矯正と違い、「歯を動かす」のではなく、「形を整える」ことで見た目を改善するというアプローチになります。
そのため、見た目の変化が短期間で得られるのが最大のメリット。
早ければ数週間〜数ヶ月で美しい口元を手に入れられるため、モデルや芸能人にも多く選ばれています。
しかし、メリットの裏には「自分の歯を削る」という大きな判断が必要です。
セラミック矯正の流れ(一般的な例)
- 前歯数本を削って形を整える
- その上に、セラミックのクラウン(被せ物)を装着する
- 歯の並びや形、色などを理想的な状態に見せる
つまり、歯の位置自体を動かすのではなく、削って“見た目”を整える治療です。
セラミック矯正のメリット
【短期間で見た目が整う】劇的な変化が可能
セラミック矯正の最大のメリットは、短期間で歯並び・歯の色・歯の形が一気に整えられること。
例えば下記のような症状場合、最短2〜3回の通院、1〜1.5ヶ月ほどで、理想的な口元に仕上げることが可能です。
特に、結婚式や面接を控えている、就活や転職で印象を良くしたい、SNSやYouTubeなどの顔出しに抵抗がある といった方から支持されています。
歯のすき間がある
前歯がガタガタしている
変色している歯がある
歯の形が小さすぎる/大きすぎる
【歯の色・形も自由に調整可能】ホワイトニングでは叶わない理想に

ホワイトニングで限界がある「真っ白な歯」や、「歯の形まで整えたい」という希望も、セラミックなら色も形もオーダーメイドで実現可能です。
モデル・芸能人のような均一な白い歯並びにしたい方には、非常に有効です。
【むし歯や変色歯も一緒にカバーできる】

例えば、下記のようなお悩みも、セラミックでキレイに隠すことが可能です。
単に「歯並びを整える」だけでなく、「審美治療」としての要素も強いため、総合的な口元の美しさを短期間で得られるのが特徴です。
歯の神経を取ったあと黒ずんでしまった
昔の差し歯が変色している
銀歯が見えて目立つ
セラミック矯正のデメリット(リスク)
ただし、セラミック矯正はメリットだけで飛びつくと、後悔するケースも。
以下のようなデメリット・リスクを事前にしっかり理解しておきましょう。
【歯を削る必要がある】健康な歯を傷つけるリスク
セラミック矯正では、被せ物を装着するために天然歯を一定量削る必要があります。
削る量はケースにより異なりますが、歯の表面を0.7〜1.5mmほど削るのが一般的。
ただし、歯並びの乱れが強い場合や厚みを出す必要があるケースでは、さらに多く削ることもあります。
削るリスクの一例
エナメル質がなくなり、むし歯のリスクが高くなる
冷たいものがしみるなど知覚過敏が起こる
削りすぎると歯の寿命が短くなる
【神経を取る必要があるケースも】歯が脆くなる原因に
歯並びのズレが大きい場合、歯の向きを無理に変えるために「歯の神経を取る」必要があることもあります。
神経を残せるかどうかは、削る量と歯の位置関係によって異なるため、慎重な診査診断が必要です。
神経を取るリスクの一例
歯の水分量が失われて脆くなりやすい
時間が経つと変色してくる
最終的に歯の破折(割れる)リスクが上がる
【歯を“動かす”治療ではない】本来の矯正とは違う
セラミック矯正は“歯並びを整える”という点では矯正に似ていますが、歯を根っこから動かす矯正ではありません。 そのため、下記の点も考慮する必要があります。
噛み合わせの根本改善にはならない
出っ歯や受け口など、骨格に関わる問題には適応できない
見た目重視の改善に限定される
【やり直しが必要になることも】被せ物には寿命がある
セラミックは耐久性があるとはいえ、一生モノではありません。
平均的なセラミッククラウンの寿命は約10〜15年(※口腔内環境・噛み合わせ・ケア次第)と言われております。
将来的にやり直しが必要になる場合もあり、再治療のたびに歯が少しずつ弱っていくリスクもあります。
セラミック矯正はどんな人に向いている?
セラミック矯正が向いている人
短期間で口元をキレイにしたい方
歯の色・形・大きさを一気に整えたい方
部分的な歯並びのズレが気になる方(軽度のすきっ歯やネジレなど)
写真・動画映えを重視したい方(芸能・接客・婚活など)
向いていない人
噛み合わせや顎のズレがある方(本格矯正が必要)
健康な歯をできるだけ削りたくない方
歯の神経を残すことにこだわりたい方
セラミックの寿命や再治療のリスクに不安がある方
セラミック矯正を受ける前に必ず確認したいポイント
「削る必要性」と「削る量」を事前に説明してもらえるか
削る範囲は患者さんの歯の状態によって異なります。
治療前にしっかりと説明があり、なぜ削るのか・どのくらい削るのかをきちんと理解した上で治療を受けましょう。
神経を取る可能性の説明はあったか
神経を取る処置にはリスクがあります。安易に勧められるのではなく、メリット・デメリットの両方を説明してくれる歯科医院を選びましょう。
セラミックの種類や強度についての説明があるか
セラミックには様々な種類があります。
見た目重視、強度重視、バランス型など、あなたの希望に合った素材を選べるかどうかも大切です。
噛み合わせや他の歯への影響を診てもらえるか
セラミック矯正は見た目だけを整えても、噛み合わせが悪くなると長期的なトラブルの原因になります。
CTや咬合診断などを用いて、全体のバランスも診てくれる歯科医院がおすすめです。
まとめ|セラミック矯正を選ぶ前に、まずは相談を

セラミック矯正は、確かに短期間で美しく整った歯並びを手に入れられる治療です。
ですが、その代償として「歯を大きく削る」「神経を取る」などの不可逆的な処置が必要になるケースもあるという点を、忘れてはいけません。
当院では、セラミック矯正を含めた様々な選択肢を患者さんのお口の状態・ライフスタイル・ご希望に合わせてご提案しています。
木村歯科医院:https://www.nishikasai-dc.com/
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