歯が小さい「矮小歯」は治療したほうがいい?放置するリスクや治療法を解説
2024/09/20
こんにちは、西葛西駅徒歩5分の歯医者、木村歯科医院です。
「周りの人と比べて、歯が小さい気がする」
「乳歯のような永久歯がある」
そのように、一般的な大きさよりも極端に小さい歯がある場合、それは矮小歯(わいしょうし)かもしれません。
矮小歯の原因やリスク、治療法について解説します。
矮小歯とは
矮小歯とは、一般的な歯よりも、大きさが極端に小さい歯のことです。
全体的に矮小歯となっていることもあれば、数本の歯のみが矮小歯ということもあります。
形は、円柱状か蕾状であることがほとんどです。
好発しやすい部位は、上顎側切歯と第三大臼歯です。
中心の前歯の両隣にある上顎側切歯は、目につきやすい場所のため気づきやすいですが、第三大臼歯は奥歯にできる親知らずのため自分で見る機会が少なく、気づきにくいという特徴があります。
そのため、矮小歯がある場所によっては自分では気づかない場合も少なくありません。
矮小歯の原因
矮小歯の原因ははっきりとはわかっていませんが、一部の歯が矮小歯となっている場合、ビタミンDをはじめとした栄養の不足や遺伝、炎症、外傷、歯の退化現象などが原因と考えられています。
矮小歯ができやすい上顎側切歯や第三大臼歯は退化傾向が強い歯と考えられており、生まれつき歯の本数が少ない先天性欠如もこれらの歯に起きやすいことがわかっています。
また、全体的に矮小歯の場合は、遺伝や下垂体の機能低下、ビタミンD不足などが原因と考えられています。
下垂体性小人症やダウン症候群、もともとの顎の大きさなどが原因で、相対的に歯が小さく見える場合もあります。
矮小歯を放置するリスク
かみ合わせが悪くなる
一部の歯だけが矮小歯の場合、上下の歯がしっかりとかみ合わない状態になります。
その結果、全体的なかみ合わせのバランスが崩れてしまったり、左右どちらかの歯だけでかむなどのかみ癖がついてしまったりします。
すきっ歯になる
歯が通常の大きさよりも小さいために、周りの歯との間にすき間ができてしまうこともあります。
歯と歯の間にすき間がある状態は、見た目や滑舌の問題を引き起こします。
歯と歯の間に物が挟まりやすくなることで虫歯や歯周病になりやすくなったり、隣の歯が徐々に動いてきてしまい、歯並びやかみ合わせが崩れてしまったりする要因にもなります。
見た目が気になる
一部だけ歯が小さかったり、歯と歯の間にすき間があったりすることで、見た目が気になってしまうこともあります。
また、通常は笑顔になっても歯ぐきは見えないか、少しだけ見えるものですが、歯の生える位置や骨格などが原因で3mm以上見える場合があります。
審美的に気にされる方が多くいる、ガミースマイルと呼ばれる状態です。
矮小歯で全体的に歯が小さい場合、歯の大きさに対して歯ぐきが大きく見えることから、このガミースマイルを気にされる方も少なくありません。
歯の寿命が短い可能性がある
矮小歯は、歯だけでなく歯根も短く小さいことが多く、ほかの歯よりも弱い可能性があります。
そのため、歯周病で歯ぐきが炎症を起こすとぐらつきやすく、一般的な歯に比べて寿命が短くなりがちです。
また、そのように弱い状態のため、ブリッジの固定源となるような強度が求められる治療には耐えられない場合があります。
矮小歯を治療しなくてもいいケース
矮小歯を放置することのリスクを説明しましたが、矮小歯は必ずしも治療しなければならないわけではありません。
見た目が特に気になっておらず、かみ合わせなどのトラブルが起こっていないのであれば、そのまま様子を見ても大丈夫です。
ただし、かみ合わせのバランスが崩れてきているなど、トラブルが起こっている場合やその可能性がある場合には、一度歯科医院に相談することをご検討ください。
矮小歯の治療法
矯正治療
矮小歯の治療方法は大きく分けて二つあり、一つは矯正治療です。
また、矯正治療の中にも、矮小歯の形を整える方法とそのままにする方法、抜歯する方法があります。
矮小歯そのものだけでなく、ほかの歯への影響や全体的なバランスなどを見ながら治療法を決めていきます。
矮小歯の形をそのまま残し、歯並びだけを治療する場合は、歯が小さいことで隣の歯との間にできているスペースを埋めるように歯並びを整えていきます。
上下のかみ合わせや歯並びに大きな問題がなく、大きさによる見た目のコンプレックスを感じていない場合に選択されます。
上下のかみ合わせや歯並びに問題がある場合や見た目をより美しく整えたいという場合には、矮小歯を抜歯したうえで矯正治療をしたり、矯正治療後にセラミックのかぶせ物やレジン修復を行ったりします。
修復治療
矮小歯の両側にできているすき間や、大きさのみを治療する場合は、修復治療という選択肢があります。
修復治療には、コンポジットレジン充填やセラミッククラウン、ラミネートベニアやダイレクトボンディングといった方法があります。
コンポジットレジン充填
コンポジットレジン充填は、歯に直接コンポジットレジンをつけ、歯の大きさや形を調整する治療法です。
素材がプラスチックのため、セラミックなどに比べて費用負担が少なく、治療期間も短くすみます。
ただし、耐久性が高くなく、経年劣化により徐々に色が変化していくデメリットがあります。
セラミッククラウン
セラミッククラウンは、セラミックでできたかぶせ物をすることで、歯の大きさを整える方法です。
レジンよりも耐久性があり、経年劣化もしにくいという特徴があります。
デメリットは、自由診療のため費用負担が大きくなることや天然歯を削る必要があることなどです。
また、この方法は「セラミック矯正」と呼ばれることもあります。
ラミネートベニア
ラミネートベニアは、歯の表面を薄く削り、その上からセラミックを張り付ける方法です。
付け爪をイメージしていただくとわかりやすいかと思います。
セラミッククラウンよりは天然歯を削る量が少なくすみますが、強い力が加わるとセラミックが欠けたり割れたりする恐れがあります。
ダイレクトボンディング
ダイレクトボンディングは、ハイブリットセラミックを歯の表面に塗り重ねて、歯の色や形を整える治療法です。
コンポジットレジン充填と似た治療法ですが、ダイレクトボンディングでは保険適用のレジンにセラミックの微粒子を混ぜたものが使用されるため、コンポジットレジン充填に比べて審美性が高く、平均寿命も長いというメリットがあります。
また、歯を削らずに治療できることが多く、セラミックよりも費用負担が少ないというメリットもありますが、症例によっては対応できないこともあります。
まとめ
矮小歯は、そのままにしておいてもすぐに悪影響が出るようなものではありません。
見た目が気になっていない場合や、かみ合わせに問題が出ていない場合には様子を見てもいいでしょう。
ですが、もし矮小歯があることで少なからずストレスやコンプレックスを感じているのであれば、治療を検討してみてはいかがでしょうか。
また、ほかの歯やかみ合わせへの影響があるのかどうかを知ったうえで治療を検討するために、一度歯科医師に相談だけしてみるのもいいかと思います。
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