SMT(唾液検査)とは?検査方法や検査によってわかることを解説
2025/03/20

こんにちは、 西葛西駅徒歩5分の歯医者、木村歯科医院です。
唾液にはさまざまな作用があり、唾液の状態で口腔内の健康状態を予測することもできます。
そのような唾液の働きを利用した検査が、予防歯科の一環として行われている「唾液検査(SMT)」です。
この検査では、歯や歯ぐきの健康状態を総合的にチェックすることができます。
唾液検査(SMT)とは

唾液検査(SMT)は、口腔内の唾液を採取し、それによって得られる情報を解析することで、口内の健康状態を総合的に評価する検査です。
唾液には虫歯や歯周病の原因となる細菌や、口腔内の酸性度、さらには免疫状態を示す指標まで多くの成分が含まれています。
そのため、唾液検査によって、これまでわからなかった新たな情報を得ることで、より一人ひとりに適したオーラルケアを実践することができるようになります。
唾液検査(SMT)の流れ

唾液検査(SMT)の流れはシンプルです。
まず、専用の洗口吐出液を口に含みます。この吐出液は、口腔内のさまざまな成分を均一に溶解させる役割があり、そのままでは測定されにくい成分を測定しやすくしています。
吐出液を口の中に含んだら、10秒間ほど口腔内に均等に行き渡らせます。
その後、吐出された洗口液を専用の試験紙に点着し、この試験紙を専用の測定機器にセットすることで、唾液成分を解析し、各種の口腔衛生指標を算出します。
唾液検査(SMT)でわかること
虫歯菌の数
唾液中の細菌を計測することで、口腔内の虫歯菌の量を把握します。
虫歯菌の量が多い場合、口内は虫歯が発生しやすい環境にあるといえます。
主要な虫歯菌としてはミュータンス菌とラクトバチルス菌が知られており、これらの菌が多いと歯の表面に歯垢が形成されやすく、結果として虫歯が発症しやすくなります。
唾液の酸性度
唾液の酸性度も、虫歯のリスクを測るのに役立ちます。
pH値が低く酸性に傾いている状態では、歯のエナメル質が脱灰しやすくなります。
脱灰は歯のエナメル質からカルシウムなどが溶け出している状態であり、食事などのたびに行われていることですが、そのたびに唾液の作用により修復されています。
しかし、唾液の酸性度が高いとその修復作用が弱まり、その状態が続くことで虫歯の初期段階となります。
唾液の緩衝能
緩衝能は、唾液が酸性に傾いた口腔内をどれだけ早く中性に戻せるかを表す能力です。
この力が強いほど、酸の影響から歯を素早く守ることができ、健康な口内環境が保たれやすくなります。
白血球の量
唾液中の白血球の量は、免疫系がどの程度活性化しているかを示しています。
歯周病菌によって感染が進むと、身体は自然にこれを排除しようとして白血球が増加します。
そのため、白血球の数が増えている場合は口腔内に炎症が生じており、歯周病が進行している可能性が高いと予測することができます。
タンパク質の量
唾液中のタンパク質の量からは、細菌の活動状態を推測できます。細菌が活発に増殖しているとタンパク質の量が増えるため、タンパク質の多さは口腔内の衛生状態が悪化しているサインです。
アンモニアの濃度
唾液中のアンモニアは細菌活動によって産生されるため、アンモニアの高濃度は口内に細菌の数が多いことを示しています。
また、その濃度が高まると口臭が強くなることが知られています。
唾液検査(SMT)とともに行われることが多い検査

唾液検査(SMT)は、口臭検査や細菌検査などのほかの検査と合わせて行われることがよくあります。
口臭検査では、揮発性硫化物のような成分の測定を通じて、口臭の有無やその強さを客観的に評価します。
口腔内細菌検査では、歯周病や虫歯のリスクをさらに細かく診断することが可能です。
細菌の種類やそれらの活動状態を確認することで、一人ひとり異なるリスクを予測することができます。
さらに、これらの検査と並行して食習慣やデンタルケアに関するヒアリングを行うことで、検査結果とヒアリングの両面から患者さんの生活状況や口腔トラブルのリスクを予測することができます。
唾液検査(SMT)のメリット・デメリット
唾液検査(SMT)の代表的なメリットは、自分自身の口内環境や虫歯・歯周病のリスクを図や数値で知ることができ、そこからどのようなケアが必要かを見極められるようになる点です。
例えば、酸性度が高いと判明すれば、中和する食品や飲料の摂取を増やすなど、生活面での具体的な改善策を講じることができます。
デメリットとしては、自由診療のため費用負担が大きいと感じる場合があることです。
唾液検査(SMT)に向いている人

唾液検査(SMT)は、虫歯や歯周病のリスクが高い方に特に適しています。
唾液検査を受けることで、何が原因で虫歯や歯周病のリスクが高いのかを知り、より適した対策をとりやすくなります。
また、口臭を気にしている方も、唾液検査によってその原因を詳しく調べ、必要な対策をとることができるようになります。
さらに、予防意識が高く、健康管理を重要視している方にも、唾液検査は向いています。
自分の口腔内環境について詳しく知ることは、長く歯の健康を維持するうえで重要です。
この種の知識があることで、日常的なケアの質を向上させることができ、将来的な治療のリスクを減らすことができるようになります。
唾液検査(SMT)の費用

唾液検査(SMT)にかかる費用は、一般的には1,000円から3,000円程度が目安となります。
当院では、初診時や定期検診時にご希望の方に無料でご提供しております。(初診時にかかる費用は別途発生します)
実施する歯科医院によって異なりますので、検査を受ける前に、費用の詳細を確認し自身の予算に合わせた選択をすることが大切です。
「トラブルが起きていないのに検査にお金をかけるのは…」とためらう方もいるかもしれませんが、唾液検査を定期的に受けることで虫歯や歯周病の予防・早期発見ができ、より高額な治療費の負担を避けられるという長期的な視点からのメリットもあります。
まとめ
唾液検査(SMT)は、口腔内の健康状態を総合的に把握するための手段の一つです。
短時間の検査で、口臭や虫歯、歯周病のリスクを把握することができます。
長期的に見れば健康維持につながる検査ですので、予防歯科に興味のある方、自分の口腔環境をより深く知りたい方は、ぜひ唾液検査を検討してみてはいかがでしょうか。
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