歯の形が普通じゃない!?形態異常の症状、原因、治療法をわかりやすく
2024/11/20
こんにちは、西葛西駅徒歩5分の歯医者、木村歯科医院です。
歯の形や大きさが通常と異なる場合を、歯の「形態異常」と呼びます。
この記事では、歯の形態異常の種類や原因、治療法について解説します。
歯の形態異常の種類
結節
結節とはしこりやでっぱりのことであり、歯やその周辺にできる場合は歯の形態異常の一つとして捉えられます。結節にはいくつかの種類があり、具体的にはカラベリー結節、中心結節、臼後結節、臼旁結節、エナメル滴などが挙げられます。
カラベリー結節は、主に上あごの第一大臼歯の内側(舌側)にできる小さな突起物です。
中心結節は、歯の中央付近に現れる結節のことで、下あごの第二小臼歯によく見られます。
この結節は、かむ面にあることで破折や、それによる神経の露出の原因となることがあります。そのほか、臼後結節や臼旁結節など、出現する場所に応じたさまざまな結節があります。
また、エナメル滴は大臼歯の歯根部などに出現するエナメル質の塊のことです。
エナメル真珠と呼ばれることもあり、歯周病の原因になることがあります。
矮小歯
矮小歯とは、歯が通常よりも小さい状態を指し、上あごの側切歯によく見られます。
この異常は、歯と歯の間に隙間が生じやすいために虫歯や歯周病のリスクが増す可能性があります。
歯が小さいことで、すきっ歯のような見た目にコンプレックスを感じてしまったり、咀嚼や発音に影響があったりする場合もあります。
巨大歯
巨大歯は、通常よりも大きな歯のことです。歯が大きいことで、かみ合わせや歯並びが崩れてしまったり、隣接する歯へ圧力をかけてしまったりといった問題を引き起こします。口が閉じにくい、顔の見た目に影響を与えるなど、審美的な問題を生み出すこともあります。彎曲歯・歯根彎曲
彎曲歯は、歯の根が途中で湾曲した状態を指します。そのため、歯の神経治療や抜歯の際に複雑な処置が必要になることや、矯正治療が難しくなることがあります。また、目で見える部分ではないため、歯科検診やレントゲン撮影などをした際に気付くことが多いのが特徴です。癒合歯
癒合歯は、隣接する二つの歯がくっつき、一つの大きな歯のようになる異常です。
外側を覆っているエナメル質やセメント質だけでなく、象牙質や神経までも一体となっている場合に癒合歯と呼ばれることが多くなっています。
これは、特に乳歯の段階で見られることが多く、永久歯においてもまれに観察される場合があります。
また、乳歯が癒合歯の場合には、後に生えてくる永久歯が1本しかなかったり、歯並びやかみ合わせが崩れやすかったりします。
癒着歯
癒着歯は、二つの歯がセメント質で部分的に癒着している歯のことです。
この状態も歯列不正やかみ合わせの崩れをもたらすことがあります。
斜切痕
斜切痕は、主に前歯に生じる傾斜した切れ込みのことです。
裏側に出ることが多いため、見た目上の問題はあまり生じませんが、歯に溝があることで汚れがたまりやすかったり磨きにくかったりといった問題が生じます。
そのため、虫歯や歯周病になりやすくなるというリスクがあります。
歯内歯
歯内歯とは、歯の内部にもう一つの小さな歯が形成されているような状態です。
重度の場合、複雑な神経構造を持つため、根管治療も困難になることがあります。
エナメル質形成不全
エナメル質形成不全は、歯の最外層であるエナメル質が正しく形成されていない状態を指します。
この異常は、歯が発育する際にエナメル質の生成が何らかの理由で阻害され、その結果、弱くて不完全なエナメル層が形成されたものです。
原因としては、栄養不足、感染症、遺伝的要因、あるいは妊娠中または幼少期の環境的要因が考えられます。
見た目の特徴としては、白っぽい斑点や溝、変色などが挙げられます。
機能的なリスクとしては、エナメル質が持っている歯を守る働きが低下し、虫歯や歯の摩耗が起こりやすくなるリスクがあります。
治療としては、フッ素塗布や、必要に応じてレジンやクラウンといった歯科材料で補綴することで、歯の強化や見た目の改善が行われます。
双生歯
双生歯は、1本の歯が発育過程で2つに分かれて成長した状態を示します。歯の胚に異常が生じることによって引き起こされ、結果として外観が2本の歯に見えることがあります。
ただし、実際には分かれた歯冠が一部で繋がっているケースも多く、真っ二つになることはあまりありません。
この異常は、審美的な違和感やかみ合わせの不調、歯並びの崩れを引き起こすことがあります。
歯の形態異常の原因
歯の形態異常は、遺伝的要因や環境的要因など、さまざまな要因によって引き起こされます。
主に、胎児期や幼少期の歯の発育段階での栄養不良や疾病、外的損傷、遺伝、ホルモン異常、感染症やそのほかの病気によるものなどが原因として考えられています。
歯の形態異常を放置することのリスク
歯の形態異常を放置すると、かみ合わせや歯並び悪化による咀嚼機能の低下や顎関節症のリスクなど、さまざまなトラブルに発展する恐れがあります。
見た目の異常が精神的な負担になってしまうことも少なくありません。
また、複雑な形状は歯磨きが難しくなるため、歯垢が蓄積しやすく、虫歯や歯周病のリスクも大きくなってしまいます。
気づいた場合には早めに歯科医師に相談するとともに、自分では気づかない異常に気付くためにも定期的に歯科医院を受診することが大切です。
歯の形態異常の治療法
歯の形態異常の治療法は、その症状に合わせて複数あります。
まずは、歯列矯正です。
特に、矮小歯や巨大歯の場合、この方法でかみ合わせや見た目の改善を目指します。
また、結節に対しては、結節の部分を削って調整する場合もあります。
セラミック矯正などを用いて、歯の形態や色を修復することもめずらしくありません。
さらに、癒合歯や癒着歯などの複雑な状態に対しては、歯の分離や調整を行うための外科的介入が必要となることもあります。
症状や患者さんの希望によって治療法はケースバイケースとなりますので、歯科医師と相談しながら進めることが重要です。
まとめ
歯の形態異常は、多くの場合、歯自体には機能的な問題がないため、過剰に心配する必要はありません。
しかし、形態が通常とは違うことで、虫歯や歯周病のリスクが高くなったり、見た目が不自然になってしまったりする可能性があります
。気になる違和感がある場合は早めに相談しましょう。
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