矯正治療後の後戻りはなぜ起こる?原因や対処法を解説
2025/02/20

こんにちは、西葛西駅徒歩5分の歯医者、木村歯科医院です。
歯並びとかみ合わせのバランスを整え、見た目の美しさや健康的な口内環境の維持を助ける矯正治療ですが、治療後の整った歯並びを長く保つためには保定期間を欠かすことができません。
保定期間をおろそかにすることは、「後戻り」と呼ばれる、歯並びやかみ合わせのバランスが再度崩れる原因を作ることにつながります。
矯正治療後の後戻りとは

矯正治療によって一旦整った歯並びが、何らかの原因で再び乱れてしまうことは少なくありません。
このように、矯正装置を外した後に歯が元の位置に戻ろうとする現象を、矯正治療後の「後戻り」と呼びます。
特に治療直後は歯が動きやすいため、整った状態の歯並びを維持するためにはきちんと保定期間をとることが大切です。
後戻りが起こる原因
リテーナーを正しく使用していない

リテーナーは、矯正治療後に歯を新しい位置に固定するための装置です。
そのため、このリテーナーを指定された時間通りに使用しなかったり、決まった装着方法を守らなかったりした場合、後戻りが起こるリスクが高まります。
特に、治療が終わった直後の保定期間にリテーナーをしっかりと装着しないと、歯が元の位置に戻りやすくなります。
虫歯や歯周病の治療でリテーナーを使用できなかった

リテーナーの継続的な使用が必要な期間中に、虫歯や歯周病ができ治療を行わなければならなくなった場合、リテーナーの装着が難しくなることがあります。
リテーナーを装着することでこれらの進行リスクが高くなる場合などに、リテーナーの装着よりも虫歯や歯周病の治療が優先されるためです。
そのため、矯正治療中から保定期間の間は、普段以上にデンタルケアに気を使い、虫歯や歯周病を予防する必要があります。
リテーナーが変形・破損した
リテーナーはプラスチックやアクリル樹脂などの素材でできているため、扱い方によっては変形や破損が起こることがあります。
リテーナーが変形すると、歯を正しく保定することができず、後戻りを引き起こす原因となります。
リテーナーを丁寧に扱い、定期的にメンテナンスを行うことで、装置の劣化を防ぎ後戻りを予防することが大切です。
舌癖や口呼吸などの悪習慣がある

矯正治療後も、舌癖や口呼吸などの日常的な悪習慣が続いている場合、歯並びに影響を与え、後戻りを引き起こすことがあります。
例えば、舌で歯を押す癖があると、歯が前に移動してしまいます。
口呼吸をする癖がある場合も、舌が口の中の低い位置に置かれている場合が多く、その結果歯並びに悪影響を与えることがあります。
このような癖を改善するためには、矯正治療とともに口腔筋機能療法(MFT)などを受けることと、自分自身が意識的に癖に気付くことが大切です。
歯根が移動する前に保定に入った
矯正治療によって動かされた歯は、新しい位置に適応するまでに一定の時間を要します。
このプロセスが終了する前に保定に移行してしまうと、後戻りが生じる可能性が高くなります。
歯根がしっかりと移動し、骨に定着するまでの期間は個々のケースによって異なるため、矯正治療を専門にしている歯科医師のもとで、歯根がしっかり移動したことを確認しながら治療を受けましょう。
矯正治療後の後戻りを防ぐ方法
リテーナーの使用時間・使用方法を守る
リテーナーを正しく使用することは、後戻りを防ぐための基本です。
基本的には1日20時間以上の装着を1年~3年ほど続ける必要があります。
ただし、この保定期間はもともとの歯並びや歯並びが悪化した原因など、患者さん一人ひとりによって異なりますので、歯科医師の指示に従うようにしましょう。
リテーナーの使用を怠ると、たとえ短期間でも歯が元に戻る可能性があるため、装着スケジュールを守ることが重要です。
舌癖や口呼吸を改善する
日常的な悪習慣を改善することは、歯並びの安定はもちろん、虫歯や歯周病の予防にもつながります。
舌癖がある場合は、舌の位置を正しくするためのトレーニングなどを受けましょう。
また、口呼吸を改善するためには、その原因に応じた対策が必要です。
癖になっている場合には意識するだけで改善することもありますが、鼻炎などの別の症状が原因になっている場合には、耳鼻咽喉科などの症状に合った医療機関で治療を受けるようにしましょう。
虫歯や歯周病にならないよう注意する
矯正治療中も治療後も、虫歯や歯周病を予防するための口腔ケアは不可欠です。
矯正装置やリテーナーが付いている間は歯垢や歯石が溜まりやすく、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
日々の歯磨きと定期検診で、予防に努めるようにしましょう。
定期的に歯科検診を受ける
定期的な歯科検診は、虫歯や歯周病を防ぐためだけでなく、矯正治療後の後戻りが起きていないかを確認するためにも重要です。
歯科医師の定期的なチェックにより、リスクを早期に発見し、必要に応じた対策をとることができます。
後戻りの対処法
歯科医師に相談する
矯正治療後の口内環境に関して違和感や不安がある場合は、速やかに歯科医師に相談することが大切です。
専門的な視点からのチェックとそれに応じた処置を受けることで、後戻りのリスクを抑えることができます。
診察を受ける際には、リテーナーの使用状況や生活習慣について説明できるようにしておきましょう。
セカンドオピニオンを受ける

場合によっては、別の歯科医師からの意見を求めることも必要になります。
新たな視点から状況を確認してもらうことで、より適したリスク対策ができるようになる可能性があります。
再治療を受ける

顕著な後戻りが生じてしまった場合には、再治療が必要となることがあります。
後戻りを正すための再治療は、一般的な矯正費用よりも低くなる場合が多く、目安としては30万円から50万円ほどです。
しかし、この費用は、後戻りを防げていれば必要のなかった費用です。無駄な出費を避けるためにも、後戻りの予防に努めましょう。
まとめ
矯正治療後の歯並びを長期間維持するためには、治療後の保定やケアが必要不可欠です。
後戻りを防ぐために、リテーナーの使用時間や使用期間を守るとともに、舌癖や口呼吸などの悪習慣の改善、虫歯や歯周病の予防、定期的な歯科検診を心がけましょう。
木村歯科医院:https://www.nishikasai-dc.com/
〒134-0088 東京都江戸川区西葛西7丁目20-8 ディアコート大林101号室
直通電話:03-5658-6487
電車でお越しの方:
東京メトロ東西線西葛西駅より徒歩5分